【素人にも出来た!】THUNDERBIRDメールを複数PCで同期させる方法4 ~[必要前提知識③] POP3とIMAPのメール保管容量の違い。~サーバー設定でIMAP設定したら10日経たずサーバーがダウンした!~

X2サーバーにもIMAP設定があった

前回のまとめ

前回、メールの仕組みには『POP3』と『IMAP』というものがあり、それぞれ下記のような特徴があるとお話ししました。

POP3の特徴

① メールサーバーのデータ保存容量が限られている(極小)

② 一定期間後にサーバーのメールデータを削除しないとパンクする

③ サーバーからメールのデータを常に削除するため、データをダウンロードしたPCでしか、その後の閲覧が不可になる

IMAPの特徴

① メールサーバーのデータ保存容量が大きく、ほぼ無制限に保管可能

②  常時サーバーにメールデータが保管されているため、いつでもどこからでも、ログインさえすれば閲覧・編集が可能

③ サーバーにあるデータを操作するので、どの端末から操作・編集しても同期が行われる

というように(Thunderbirdメールでデフォルトで使われている)POP3は非常に使い勝手の悪いシステムだということをお話ししたのでした。

↓以下、前回投稿

■第3回 ※前回投稿

前回最後で判ったこと。

ところが、最近になって(からでしょうか)、Thunderbirdの設定とは別に、メールサーバー側の設定をPOP3からIMAPに変更できるということが判りました。

元々POP3を推奨していた『X2メールサーバー』や、私的に使っている『ロリポップメールサーバー』でも、設定をPOP3からIMAPに変更できるのだと。

しかも、同期も実現できる様子・・・。

で、早速試してみることにしました。

↓以下、前回までの投稿

■第1回

■第2回

サーバの設定をPOP3からIMAPに変更してみた

ちなみに下記はロリポップメールサーバーのメール設定マニュアルページの一部です。

↑赤枠内に記載があるとおり、サーバー側で切り替えられるようです。

なんや・・・メールサーバー側でIMAPに設定すれば簡単に同期できるやん。

そして実際に、自分のサイト、およびシステムを担当させていただいている会社で設定してみました。

※最低限の調査、聞き取りに加えリスクヘッジは行った上です。適当に『試したった!』というわけではありませんので悪しからず💦💦

するとどうでしょう。

複数のPCでIMAP設定したところまではよかったんです。

確かに複数PCでメールの送受信ができます。同期もされています。

なんや・・・意外と簡単やん。

と思ったのもつかの間。

設定から2週間日も経たないある日、その会社から電話がかかってきたのです。

お世話になっている会社のメールサーバーがダウン!?

突然メールの送受信が出来なくなった

その会社から受け取った連絡では、

今日の午後3時頃から約3~4時間、まったくメールの送受信が出来ません・・・

とのこと!

これは大変なことです。通常1時間の間に4~5件の予約メールが入ってくる会社です。そのメールが3,4時間も不通になっているということは・・・

メールサーバーがパンク(※)したに違いない!

※これをIT知識の高い人たちの間では『サーバーダウン』というのか!?

慌ててその会社に出向きメールサーバーを確認したところ・・・

約500件ぐらいのメールが溜まっていたと記憶しています。そして4~5時間前から、新規の受信メールが全く入ってきていませんでした。

たった500件程度でサーバーがパンクするのか・・・!

メールサーバーの保管容量に変わり無し!

考えてみてください。GmailやYahoo!メールなら受信トレイに未読メールだけでも1,000件、多いときで10,000件溜まっているなんて事もあります。それでも問題なく動いています。

それが、元々POP3対応(推奨)だったメールサーバーでは、いくら設定をIMAPに変えたところで、

メールコピーの保管容量に変わり無し!

ということだったのです。

ここでまた、メールサーバーを郵便局に例えてみましょう。(これ不要?)

これまでPOP3郵便局では「郵便物のコピーは保管開始から○○日で廃棄しますよ~」と言ってきました。

そのPOP3郵便局が、

「これからはIMAPサービスを開始します。希望されるお客様の郵便物に関しては、コピーを、廃棄の依頼があるまで、ずっと保管しておきますね~。」(IMAP対応)というサービスを開始したとします。

でも当郵便局は保管スペースがあまりないので、倉庫がいっぱいになったら郵便物を受け取るのも発送するのもストップしますよ~(もともとPOP3対応だったし~)。

と言っているような状態なわけです。

その会社のメールシステムが受信するメール数は1日平均80~100通。メールサーバーにはX2サーバーを使っていたのですが、500件ほどでサーバーがパンクするということは・・・約1週間で送受信しなくなるわけです。

とはいえ、IMAPにはPOP3のように『メール受信から○○日でメールを削除する』という自動設定がありません。毎日こつこつメールサーバーに溜まったメールを削除しなければなりません。

それでももし短期間に大量のメールを受信したらパンクしてしまいます。

これでは意味が無いな・・・

やはり別の方法で同期設定するしかない、と気づいた

やはり以前WEB上で見かけた『Gmailを利用してThunderbirdの同期設定をする』という方法を取り入れるしか手が無いか。

「そんな方法があるなら、先にそのページのリンクを教えろ!」

と思われたかた。

僕もそうしたいのは山々(やまやまと読む)なのですが、残念ながら僕のPCの優秀なセキュリティソフトが、そのサイト内の『支払いシステムもしくはページに何らかのリスクがある』と探知したのです。

ページ自体には問題なさそうで、設定手順が親切に書かれた良いページだったのですが・・・

その為、今回は紹介を控えさせていただくことにしました。

また、そのページにはGmailを使ったThunderbirdの同期設定について詳細な手順が記されていたのですが、Gmailを使用する理由や概念などがあまり説明されていなかったため、分かりづらい部分も結構あったんですね。

そこでそれら概念も含め、次回・次々回といよいよGmailを利用したThunderbirdのIMAP同期設定についてご紹介していきます。

 

【素人にも出来た!】THUNDERBIRDメールを複数PCで同期させる方法3 ~[必要前提知識②] POP3とIMAPの違い~

電子メール(Email)の簡単な仕組みを見直してみよう

Thunderbirdメールの同期設定を行うにあたり、最低限必要なIT知識をまとめておくという企画の第3回目『POP3とかIMAPって何?』をお話しします。

〔前後の投稿目次〕

1.序章/目次  (前々回の投稿)
【素人にも出来た!】THUNDERBIRDメールを複数PCで同期させる方法

2.必要前提知識①  (前回の投稿)
WEBブラウザメールとメールソフトの違い 

3.必要前提知識②  (今回の投稿)
POP3とIMAPって?

4.必要前提知識③  (次回の投稿)
Thunderbird(WEBメール)を複数PCで同期させる方法

POP3とかIMAPって何?

そもそも当たり前のように使っているこの『電子メール』。※言い方が古くさいですね、Emailとも言います(笑)。僕は、どのような仕組みで動いているかすら、よく考えたことがありませんでした。

『サーバー』という言葉も良く聞きますが、実際のところどういった働きをしているのか・・・

まずは『メールサーバー』の役割について見ていきたいと思います。

メールサーバーとは郵便局のようなもの

『サーバー』といっても今回取り上げるのはパソコンなどのサーバーではなく、『メールサーバ』についてです。

よくEmailは郵便物に例えられますが、そういった意味で、メールサーバーは郵便局に例えることができるかと思います。

Aさん宛てにメール(郵便物)を送ると、一旦郵便局に集められますよね。Emailでこの『郵便局』にあたるのが『メールサーバー』になるわけです。

BさんがAさん宛にEmailを送ると、直接Aさんに届いているように見えますが、実は郵便物が郵便局に届けられるのと同じく、一旦『メールサーバー』に届けられます。そしてその後宛先であるCさんの受信箱にメールが届く。郵便物と全く同じ流れです。

ただひとつ、Emailが郵便物と大きく異なる点を挙げると、

Emailの郵便局(メールサーバー)は、

常に手紙(mail)の コピー” を作成してから受信者に配信する

という点です。

郵便局で言うと『すべてのハガキや手紙を一旦郵便局でコピーし、オリジナルの郵便物は宛先に配達、コピーは郵便局で保管する』というイメージです。

「だとすると、小さな郵便局の場合、すぐにコピーの保管場所がなくなるのでは?」と思われたあなた。

その通りなんです。Emailでも同じなんですね。

この『小さな郵便局』のイメージにあたるのがEmailでいう『POP3』という、かつて主流だった仕組み。

そして「小さな郵便局だと保管場所に困る」ということで開発された『大きな保管場所を有する、大きな郵便局』にあたるのが、最近主流になった『IMAP(アイマップ)』という仕組みなんですね。

POP3とIMAPの違い

POP3の特徴

POP3では、サーバーにメールをあまり溜め込むことができません。

一定数を越えるとどうなるか・・・

サーバーがパンクし、メールを送受信しなくなります。※その間届いていたはずのメールは再度確認することができません。送信者側にはエラーメッセージがでるようです。

そのため設定に「メールをダウンロード後、○○日でサーバーからメールを削除する」という項目が儲けられているわけです。

メールサーバーからメールがなくなる、ということは、それ以後、どのPCからサーバーにアクセスしてもメールを確認することができない、と言うことなんですね。※ダウンロードしたPC以外には・・・

IMAPの特徴

それに対し、IMAPは、メールをダウンロード後もメールサーバーにメールが残る仕組みで、POP3とは違い、大量のメールが溜まってもパンクしたりしません。なので定期的にメールを削除したり、自動で削除されたりもしません。

サーバーにバックアップの機能も同時に備えていると言うことになりますね。

そのため、いつ、どの端末からアクセスしても、メールを確認できると言うわけです。どのパソコンからでも、スマートフォンからでも、タブレットからでも、ログインさえすれば。

POP3のメリット

ではPOP3のメリットは?

と思われたかたもいるのではないでしょうか?

POPのメリットは・・・

特に無いようです。

いわば古いメールシステムということが言えるかもしれませんね。

サーバーにメールが溜まらずよい。というメリットがあるようですが溜まっても大丈夫なメールサーバーのほうがよいですよね。

で、今回の主役Thunderbird」はこの『メーラー(メールソフト)※』というカテゴリに入り、基本POP3でメールの送受信を行っています。※詳しくは前稿を参照ください。

基本、と言った理由としては・・・

最近のメールサーバーは、IMAPに対応している 対応できるようになった ものが多く出てきているんです。

え?ではIMAPで設定すればよいのでは?

と、僕も思っていたので、いざ実践・・・

恐れていたとおりのトラブルが発生したのでした。

次回に続く

 

【素人にも出来た!】THUNDERBIRDメールを複数PCで同期させる方法2 ~[必要前提知識①] WEBブラウザメールとメールソフトの違い~

THUNDERBIRDを複数PCで同期させる方法と、これだけは知っておきたい必要最低限の知識

さて今回は『THUNDERBIRD(メールソフト)を複数PCで同期させる方法』の第2回です。

今回は設定に際し『これだけは知っておきたい』という必要最低限の知識①『 (WEB)ブラウザメールとメーラー(メールソフト)の違い』について書いていこうと思います。

僕自身今回の設定に際し、最低限の知識すら無いままネットで見つけたマニュアル的なものをそのまま追った為、ひとたび問題に直面するとどうしてよいか全く判らなくなるということが度々ありました。

そういったこことを避けるためにも、ここでは初心者のためのメールシステムの必要最小知識についてお話ししようと思います。※自分自身の備忘録も兼ねています。

そんなまどろっこしいものはいらないから、早く同期させる方法だけ教えろ!

という方は、下記に目次的リンクを設けましたので、そちらを参照ください。

1.序章/目次  ※前回の投稿

2.必要前提知識①
WEBブラウザメールとメールソフトの違い   ※今回の投稿

3.必要前提知識②
POP3とIMAPって?

4.必要前提知識③
Thunderbird(WEBメール)を複数PCで同期させる方法

5.必要前提知識④
メール同期の概念

6.設定方法①
メールアカウント作成

7.設定方法②
本体側の設定

8.設定方法③
2台目以降の設定

9.設定方法④
完成

上記に順を追ってIT用語の説明から最終目的である『Thunderbirdの同期設定』までを数回に分けて説明しています。初心者にも出来るだけわかりやすく書いたつもりですが、非初心者にとっては『百も承知』のこともあるかと思います。

それぞれ興味のある項目のみ参照いただけたらと思います。

2.(WEB)ブラウザメールと(電子)メールソフトの違い

(電子)メールソフトとは

さて、みなさんは『Thunderbird』というメールソフトをご存じでしょうか。※前投稿をご覧くださった方はご存じかと思いますが。

僕は知っていました!(自慢にはならないけど)。いや、以前勤めていた会社で使ったことがあったので知ってはいましたが、実はこのメールソフト、前回ご説明したとおり、なかなか不便なんです。

最近知ったんですが、『ブラウザメール』と呼ばれるGmailやYahoo!メールなどと違い、(電子)メールソフトと言われるThunderbirdやOutlookなどのメールソフトでは・・・

1つのアカウント(メールアドレス)について、送受信ができるのは、1台の端末(PC限定)でのみ!

なのです!(みなさんは知っていました?)

なぜ僕がそれを知ったかというと、最近システムを担当させていただくようになった会社がこのThunderbirdを使っていたからなんです。

その会社では予約受注や顧客問い合わせ等、1つのメールアカウントを、1台のパソコンのみで送受信していたため、メール担当者はかなり大変そうに見えました。

パソコンは何台もあるのに、メール対応をしているのは特定の1台のパソコンに座っている一名のみ。

なぜメール対応はいつも一人で行っているんですか?

と、まぬけな質問をしたところ、

ThunderbirdやOutlookは1つのアカウントについて、設定した1台のパソコンでしか使えないんですよ。

という回答が!

え!そーなんですか!?

知らなかった! でも、それは不便でしょ!

予約管理やメール対応できる社員がたくさんいるにもかかわらず、その業務に携われるのが1人だけ(というか1台のパソコンだけ)。軽くググってみても、やはりその会社のかたがおっしゃるとおり、Thunderbirdにおいては、1メールアドレス/1端末(パソコン)だということがわかりました。

「携帯メールでさえPCで見られる時代。何か方法があるはず」と、最近芽生え始めたエンジニア魂を発揮し調べたところ・・・

ありました。Thunderbirdというマニアックなメールソフトだけに、詳細まで解説されている情報はほとんどありませんでしたが、なんでもIMAP(アイマップ)という機能を使うと同一のメールを複数の端末で使用することが出来るとのこと。

もちろん同期された(1台のPCで行った操作がそのまま別のPCにも反映される)という状態で・・・。

IMAPおよび、その対照の設定となるPOP3については、今回のテーマと少し外れるため、次回に説明させていただき、同期設定については次々回に、それぞれ詳しく説明させていただきたいと思います。

ブラウザメールとは

それでは本題に戻り、メールソフトの対照となるブラウザメールについて説明させてください。

と、言っても皆さん、このブラウザメールについてはよくご存じかと思います。

有名どころで言うと、Gmailや、yahoo!メールなどがそうですね。

メールソフトと違い、ブラウザメールなら、パソコンだけでなくスマホでもタブレットでも、どの端末からでも連動するブラウザ(GmailならGoogle Chromeを、Yahoo!メールならYahoo!のホームページ)を開きログインさえすれば、いつでもどこでも使えるんです!

・・・え?知ってるって?

う~ん、便利!

それでは次回以降、この同期にまつわるIT用語と、Thunderbirdメールにおける同期の設定方法をご紹介していきたいと思います。