Thunderbirdの同期設定
これまでダラダラと説明してきた『Thunderbirdの同期設定』。ようやく今回から具体的設定方法に入りたいと思います。
まず同期させたいThunderbirdのメールアドレスと、同期設定に必要なGmailアドレスを準備しましょう。※現在既にお持ちのThunderbirdのメールアドレスを同期させたい方は、新たに作成の必要はありません。
ここでは例として、下記を使ったとしましょう。
1)最終的にThunderbirdを使って複数のPC(端末)で同期させたいThunderbirdメールアドレス
(仮):tb-douki@hisshi.jp
2)同期設定に必要な共通Gmailアドレス
(仮):gm-douki@gmail.com
※下記図のような同期システムを作り出すために、最終的に同期させたいThunderbirdのメールアドレス(上記1)とGmailのメールアドレス(上記2)が必要となります。
概念大筋
詳細は後ほど説明するとして、まず大筋を説明しておきます。
設定① メールサーバー(上記例ではLolipop)で取り込んだメールを、メインとなるPC(以下親機※)に、通常通りThunberbirdのPOP3設定で[tb-douki@hisshi.jp](上記1)に取り込みます。
※1)スマホやタブレットは不可
※2)ここの設定をPOP3にし、メールを一定期日後に自動でLolipopのサーバーから削除されるように設定しておきます。これによりメールサーバーがパンクすることを防ぎます。
設定② Thunberbirdメーラーのアカウント[tb-douki@hisshi.jp](上記1)に取り込んだメールをGmail[gm-douki@gmail.com](上記2)に転送。
設定③ Thunberbirdメーラー上にGmailアカウント[gm-douki@gmail.com ](上記2)を操作できる設定を施す。
設定④ Thunderbird上に設定したGmailアカウント[gm-douki@gmail.com ](上記2)の表示メールアドレスを、同期させたいアドレス名[tb-douki@hisshi.jp](上記1)に変更する。
設定⑤ 2台目PC(以下子機)に、上記設定①と同じThunderbirdアカウントのメール[tb-douki@hisshi.jp](上記1)を、今度はIMAPで取り込みます。と、同時に上記設定③④と同様の設定を施します。
Thunderbirdメールの作成と初期設定
まずはThunderbirdメールの作成と初期設定(上記設定①)です。
これまでThunderbirdを使用していなくて、今回新規にアカウントを作成したい場合、下記のリンクと、本記事の解説を参照にThunderbirdをダウンロードし、新規アカウント(自由に設定可能。ここでは[tb-douki@hisshi.jp](上記1)を使用)を作成してください。
●Thunderbird公式ダウンロードページ:
Thunderbird — メールをもっと簡単に。 — Mozilla
●Thunderbird自動アカウント設定:
Thunderbird自動アカウント設定
※既にThunderbirdを利用していて、そのアカウントを同期させたい場合は、そのアカウントが下記と同様の設定になっているか、特にPOP3になっているかどうかご確認ください。
Thunderbirdにメインのメールを取り込む設定をする
まず既存のThunderbirdを開き、右上の三本線のようなマークから下記のように開きます。
『三』→『オプション』→『アカウント設定』
開いた画面の左下の『アカウント操作』→『メールアカウントを追加(A)』
すると下記のような画面が現れます。
ここに『メール受信者に表示させたい名前』『メールアドレス』および今回のアカウント用に作成した独自の『パスワード』を登録します。
- あなたのお名前(N):hisshi.jp(このアカウントは実際は対外的には使用しないので判りやすい表示名でOK。後で変更可能)
- メールアドレス(L): tb-douki@hisshi.jp
- パスワード(P): ●●●●●●●●(任意のパスワードを設定)
『続ける』ボタンを押すと「Thunderbirdはあなたのアカウント設定を見つけられませんでした」という表示が出ると思います。
そこで上記図の『受信サーバー』や『サーバーのホスト名』等を下のように書き換えます。
●受信サーバー:POP3
●サーバーのホスト名:※メールサーバーのメール設定ページにログインし、確認。
●ポート番号:995
●SSL:SSL/TSL
●認証方式:自動検出
●SMTP:※メールサーバーのメール設定ページにログインし、確認。
●ポート番号:465
●SSL:SSL/TSL
●認証方式:自動検出
で、再テストのボタンを押すと、今回は
次のアカウント設定が、指定されたサーバーを調べることにより見つかりました
と表示されますので、完了ボタンを押すとサンダーバードのアカウント設定は完了です。
下図のように作成したアカウント(メールアドレス)が受信トレイと共に左側に表示されればOKです。
【参考】
ここでは、(プロバイダーがサービスを提供している場合) 受信メールのプロトコルを IMAP と POP から選べます。IMAP と POP は、メールを受信するための標準プロトコルです。最近使用されるようになったプロトコルの IMAP では、受信メッセージをメールサーバーとあなたのコンピューターに同時に保存できます。POP プロトコルでは、受信メッセージはあなたのコンピューターにのみ保存されます。
ー上記Thunderbird自動アカウント設定ページより引用ー
Thunderbirdでは最近IMAPの設定ができるようになりましたが、ここではPOP3で設定します。※POP3でないと、サーバーにメールのコピーが残ったままとなり、前回の投稿のようにメールの送受信が出来なくなるからです。
Gmail(Google)アカウントの作成
次に同期設定用Gmailの作成です。ここで作成したアドレスを、複数のPCやスマホからでも操作できるように設定していきます。
※現在使用しているThunderbirdのアカウント(メールアドレス)をそのまま同期させたい場合も、新たに作成したアカウントを同期させたい場合も、基本設定方法は同じです。
まずThunderbird同期のためのGmailを作成しましょう。
ここでは判りやすくGmailのアドレスを
[gm-douki@gmail.com](上記2)
としました。
新しいGmailを作成するには新しいGoogleアカウントの作成が必要になります。
『Googleアカウント作成』と検索窓に打ち込み、Googleの公式ページよりアカウントを作成します。
現在Googleアカウント(Gmail)を持っている場合は、そのログインページ下方に『アカウント作成』というリンクがありますので、そこをクリックしても作れます。
アカウントのリンクを開くと、必要な情報の登録を求められますが、指示通り登録するだけで特に設定は難しくありません。
上記の『ユーザー名』の欄に登録した文字列がそのままGmailアドレスになります。
ここでは[gm-douki@gmail.com](上記2)で設定したと仮定して進めます。
これで、メール同期設定用のGmailとThunderbirdのアカウントが作成されました。
いよいよ次回はメールの同期設定に入ります。
ご注意
実は当シリーズ『Thunderbird複数PCで同期させる方法』でお伝えしている内容は、Googleから推奨されていない方法である可能性があります。というのもThunderbird上に取り込んだGmailアドレスの表面上のドメインを別のものに差し替える、という作業だからです。
Gmailには
(Gmail を使用して他のメール アドレスからメールを送信します)
という設定があり、Thunderbirdには、別メールのアドレスを表記上のみ変更させることが可能であることから、『やってはいけないこと』ではないのかと判断し、設定および今回のように方法の公開を行っています。
また近日中にGoogleにこの設定方法を行っても問題がないか否かの問い合わせを行う予定です。
しかしながら、現時点では明確ではありません。
大変恐縮ですが、仮に皆さまが僕の記事を読んで、同様の設定を施したことで、万一Googleから注意やペナルティを受けることがあっても、当方では責任を取ることが出来かねます。
設定される場合は、その旨、ご理解、ご了承いただいたうえで行っていただきますよう、お願い申し上げます。