『嫌われる勇気』の著者、岸見先生の講演会に参加してきました5 ~なぜ岸見先生のお話は多くの人を惹き付けるのか、その謎に迫ってみた~

もはや当ブログでシリーズ化していると言っても過言ではない『岸見一郎先生の講演会レポート』第5段。今回の講演は、大好評に応え2回目となる『岸見先生と語る会(※)』でした。※オール質疑応答の講演会

なぜ岸見先生のお話は多くの人の興味を惹くのか

『語る会』を含め、僕が岸見先生の講演会に参加させていただくのは今回で5度目となります。そろそろ「岸見先生のトークは、なぜ魅力的なのか」その秘訣を突き止めなければいけないという使命感に駆られ、注意深く観察しました。

その答えは・・・。意外とすぐにわかりました。笑

全ての質問に対し、必ず裏話を添えて回答されておられる・・・

直接的な回答だけでなく、必ず『先生の経験談』か、『知人のエピソード』か、『哲学者の発言』か、『自著からの引用』か、何らかの話が例として挙げられているのです。哲学的な回答に加え、身近な人等の実話を添えることで、お話に臨場感と信憑性を与えておられるのですね。それが興味をそそられる要因だとわかりました。

一人あたりの質問への回答所要時間は、約10分~20分。2時間の講演会中、今回の質問&回答は(僕を含め)全部で9人(だったと記憶しています)。※この日の参加者は40~50名

この日、僕が行った質問

さて、それではこの日僕は一体、どんな質問をしたのでしょうか。

今回の『語る会』では、『人間関係(家族、会社)』、『教育(子供や生徒)』、そして『貢献感』について多く語られていました。

アドラー心理学では『貢献感が得られれば、幸福感を得られる』という間違った認識をしていた僕は、それならば「貢献感が大きければ大きいほど幸福感も大きくなるのか(比例するのか)」という質問をさせていただくつもりでした。

アドラー心理学では、貢献感が得られれば、幸せになれると説かれていますが・・・」と話し始めたところ・・・。

どうも先生の反応がおかしい。

あれ?違ったかな?と思っていると、やはり先生から

「そうなんですか?知らないです 😎 」

というお答えが!

この瞬間、僕の頭の中は真っ白に・・・。

しかし、せっかく満を持して行った質問だったため、「何とか立て直さなければ!」と頭の中をフル回転させました!!

それでは、『幸福感を得ることを目的に貢献感を得ようとすること』は間違った行為でしょうか?」と質問。

先生はゆっくりと、しかし一言一言確認するように下記のような回答をされました。

「幸せになることを人生の目標にすることは誰にとっても自然なことです。ですが幸せになるために貢献感を得ようとすることは何か違う気がします。」

※本記事内、岸見一郎氏のコメント・裏話の部分はすべて、僕の記憶を元に再現したものです。

この言葉を聞いた時、先ほど先生が話されていたお話(ご自身の体験談)を思い出しました。

岸見一郎氏が貢献感を感じた瞬間とは!?

以前先生が、大病をわずらって長期入院されていた時のこと。もちろん幸福感も貢献感も感じることができず、それどころか服用していた睡眠薬を飲むと「明日はこのまま目覚めないかもしれないと思った」というほど病んでいたそうです。

それがある時、一人のナースから人生相談を受けたことがきっかけで、非番のナースから次々と相談を受けるようになったというのです(病院内で「先生の話は面白い」という口コミが広がったのでしょうね)。先生は病気であったにも関わらず。

その時突然「こんな自分でも役にたてることがあるんだ!」と貢献感を感じるようになったそうです。今では、「幸せな時間だった」と感じているとも。そして、こう仰ったのです。

「『貢献感は突然訪れる』といったイメージでしょうか。」

僕はそれまで、『貢献感とは、自ら求めつかみ取らなければいけないもの』と思っていましたので、目から鱗でした。

『今ここを真剣に生きていれば、貢献感はいつかやって来る』ものだったんですね。

このように体験談などがふんだんに盛り込まれているから、先生の話には説得力があるんだなと確信を得た瞬間でした。

今回の講演会では、参加者全員に、『岸見一郎プレミアムしおり(※)』がサプライズ・プレゼントとして用意されていました。※この名称は僕が当ブログ用に勝手に作ったものですw

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※岸見一郎プレミアムしおり

 

次回予告:『嫌われる勇気』の著者、岸見先生の講演会に参加してきました6    ~「これさえ上手くいけば」と考えている人は「今ここ」を逃している~

今回の講演でも、書ききれないぐらいの『印象的なエピソード』や、『名言』が飛び出しました。そこで、今回は持ち越しで、次回それらの名言や裏話についてご紹介させていただこうと考えています。

幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII

※ちなみに評判の良かった過去のエントリーが下記。岸見先生にもご確認いただき・Facebook経由でコメントまで頂きました。
『嫌われる勇気』の著者、岸見先生の講演会に参加してきました!2

そしてその続きが下記。こちらは当時、最もアクセスを集めた記事です。
『嫌われる勇気』の著者、岸見先生の講演会に参加してきました3 ~いまここを真剣に生きる~

※お詫び:本投稿内容に掲載されている内容は、あくまで当サイトオーナーが、講演会で感じ取った所感、認識、記憶に基づき構成されたものとなります。岸見一郎氏の発言と一字一句同じというわけではなく、また発言の意図とも必ずしも一致するものではないかもしれない旨、ご了承ください。

 

  

【自慢】いいことした話 ~京都の人は、うらおもてがあって冷たいってホント?~

またも『いいことした自慢』です。

いいことした話

昨日は就活の面接で京都に行っていました。いい感じの面接を終え、大阪に戻ろうと京都駅の改札あたりまで来た時、事件(そんな、たいそうなものではないけどw)が起こりました。

前を歩いていた初老の紳士が定期入れを出した時、何やら四角い紙を落とすのが目に入ったのです。その紳士は、落としたことに気づかず改札を抜けホームへと向かっていきました。僕が、その落としたものに近づいて確認してみると。

特急券でした。

苫米地氏の著書『即断即決「脳」のつくり方』を読んで以来、行動に瞬発力が出てきた僕は、すぐさまその券を拾おうとしたのですがが・・・。

ここからがいつもと違うパターンで。

その券を拾おうと、僕を含め、なんと3人の人が一緒に手を出していたのです。

中学生くらいの女の子と40代くらいの女の人と僕。

結局女性二人が遠慮して手を引っ込めたので僕が拾い上げ、ダッシュで持ち主の紳士のもとへ。何度もお礼を言っていただけました。

なんかすごく得した気分。(同時に拾おうとしていた女性2人、おいしいところを持って行ってしまいスミマセン!)

実は大阪に住んでいるとたまに、「京都の人は本音と建て前を使い分ける、うらおもてのある人が多い」という噂を耳にすることがあります。

しかし昨日は(たまたまなのかもしれませんが)、落とし物に対して瞬時に3人もの人が拾って持ち主に返してあげようとしていました。大阪でもなかなか見かけない光景です。

京都の人「あったかいんだから~」とクマムシの局が頭の中を流れました。

これっていいこと?悪いこと?

で、今日はもう一つ『いいこと』にまつわるお話を。

大阪地下鉄には1日乗り放題(平日800円、土日600円)のチケットがあります。

このチケット、大阪旅行や、その日、色々な駅で乗り降りする予定がある人にとってはすごく有用です。僕は地下鉄の終点(発車)駅からいつも乗り降りするため、夕方や夜から電車に乗ろうと切符を買おうとしていると、時々この1日券を使い終わって必要なくなった方が「よかったら使ってください」と声をかけてくれる親切な方がいらっしゃいます。皆さんの中にも、そういった経験をされたかたがいらっしゃるのではないでしょうか?

僕も実際使い終わって駅の改札を出た時に、切符を買おうとしている人を見かけると、「あげようかな?」と思うことがあります。

しかし、ちょっと待てよ・・・。

これって大阪地下鉄で働いている人の立場に立ってみるとどうなんやろう?本来売り上げになるはずのチケット代を、乗り放題チケットの受け渡しが行われることで無くなっているわけですよね。もちろん転売などすることと比較すると、そこには親切心しかないので、本来は『いいこと』でしかないのですが。

僕はいつも上記のことが頭をよぎるため、この1日乗り放題のチケットについては、あげたりもらったりはしないようにしています。※でも「使ってください」という親切心をくじきたくないので、一旦もらったふりをして、使わないようにだけしています。

これって、考えすぎでしょうか?皆さんはどう思われます?

下記は記事内で一瞬だけ言及した著書『即断即決「脳」の作り方』です。これのおかげで僕は幾分か決断が早くなりました。就職については、内定いただいた会社があるにも関わらず、事情があって未だ決めかねていますが・・・。

あなたの収入が必ず増える!!即断即決「脳」のつくり方

 

 

【書評】『エッセンシャル思考』~スティーブ・ジョブズからの依頼、あなたなら断れますか?~

書評タイトル:選べない、捨てられない人に贈る最高の1冊

著書:エッセンシャル思考
著者:グレッグ・マキューン (著), 高橋 璃子  (翻訳)
出版:かんき出版

エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする

エッセンシャル思考って、どんな考え方!?

エッセンシャル思考とは、「余計なことは極限まで切り捨て、本当にやるべきことに注力することで、目標達成や成果につながる可能性を高める」という思考術です。

これだけ聞くと当たり前のことのように思えますよね。

僕も冒頭を読み始めた時は「失敗した!なんでこんな当たり前のことを書いている本の評価がこんなに高いんや!?」と思いました。が、読み進めるうちにすぐ、高評価の理由がわかりました。

書籍には、スティーブ・ジョブズやウォーレン・バフェット、ピータードラッカーやスティーブン・コーヴィーなどの『エッセンシャル思考』に基づくエピソードが紹介されているため、高い説得力があり、興味も尽きることなく読み進めることができるのです。

下記に印象的な一文を引用させてもらいました。

ー下記《    》内、文中より抜粋・引用ー

《有名なグラフィックデザイナーのポール・ランドはスティーブジョブズの依頼にノーを言ったことがある。<中略> ジョブズは、ランドに連絡をとり、「いくつか候補を出してほしい」と依頼した。けれどもランドは、いくつも候補など出さない、とジョブズに告げた。「仕事はしますよ。それで気に入らなければ、使わなくてもかまいません。候補がいくつもほしいなら、ほかを当たればいい。私は、自分の知るかぎり最高の答えをひとつだけ出します。使うかどうかの判断は、そちらでしてください」》

すごいプライドの高さですよね。『自分が信じるベストこそが、その時考えうる最善の方法』だと確信をもっていなければ言えないセリフです。結果、ジョブズはランドのことを「最もプロフェッショナルな人間だ」と敬意を表したそうです。

《目先の好印象と引き換えに、長期的な敬意を手に入れたのだ》

ー上記《    》内、文中より抜粋・引用ー

エッセンシャル思考は、生活のあらゆるシーンで活躍する

その他同著では、『人付き合い』『会社の人事』『株式投資』などの場面においても『エッセンシャル思考』を活用すべきと提言しています。

下記に2、3例を挙げてみました。

『株式投資』なら「これは絶対買い!」と思ったものしか買わない。

『人事』なら「絶対この人に入社してほしい!」という人しか採用しない。

「もしかしたら、これから株価が上がるかも」や「現時点では一番マシな株だから買っておこう」というような曖昧な理由で株を買ってはいけないと述べられています。

人と会う時や、人事で誰かを採用する場合などもそうです。「気は乗らないが、付き合いで会っておこう」「誰一人パッとしないが、一番マシな人を採用しておこう」などは、してはいけないというのです。

その裏で、どれほどの『出来ていたはずのこと』が無になっているか考えないといけないということが説かれています。『トレードオフ』の考え方というのだそうです。

《何かを選ぶことは何かを捨てること》

ー上記《  》内、目次より引用ー

文章(ブログ含む)を書く人にも最適

さらに同著には、文章を要約するコツも紹介されています。簡潔にまとめるのが超苦手な僕には最適の指南本となりそうです。

本著、ロジカルシンキング(論理的思考)関連の本を検索中に見つけたのですが、普段、あれこれと手を出しすぎて、どれも中途半端になってしまっている僕にとって、めちゃめちゃ響く1冊となりました。

読了後、僕は今学んでいることの半分程度を一旦休止することにしました。継続して学習する(選んだ)ものに、これまで以上に注力するためです。

『エッセンシャル思考』は究極の論理的思考なのかもしれません。